Googleアナリティクスの「直帰率」が異常に低い?!原因と対処法を解説

📅 July 07, 2020

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Yuya Hyodo

1993年生まれ。京都大学経済学部卒業後、新卒で三井物産に入社。その後社員2名のスタートアップにジョインし複数の新規事業開発に携わった他、大手リゾート会社のwebマーケティング責任者としてアクセス解析や広告運用など幅広い業務を経験。2019年12月zipunkを創業。Google Analytics個人認定資格(GAIQ)保有。

Yuya Hyodo

1993年生まれ。京都大学経済学部卒業後、新卒で三井物産に入社。その後社員2名のスタートアップにジョインし複数の新規事業開発に携わった他、大手リゾート会社のwebマーケティング責任者としてアクセス解析や広告運用など幅広い業務を経験。2019年12月zipunkを創業。Google Analytics個人認定資格(GAIQ)保有。

Google アナリティクス(GA)を使って自社サイトのアクセス状況を計測する際の重要な指標の一つに「直帰率」があります。直帰率を確認することでユーザーのエンゲージメント度合いなどを分析することができるため、多くのサイト担当者が定期的に直帰率の推移をチェックしているかと思います。

そんな直帰率ですが、ある日GAを開いてみると数値が異常に低くなっている、という現象が起きることがあり、弊社にも頻繁に寄せられる質問トピックの一つです。

本記事では「低すぎる直帰率」の原因と対処法について、そもそも直帰率がどのように集計されているのか触れながら解説します。

この記事で学べること

  • GAの直帰率の定義に関する正しい理解
  • 直帰率が異常に低くなる原因と対処法

1. 直帰率を理解する

直帰率はGoogle アナリティクス(GA)のレポート画面で確認できる分析指標の一つで、簡単に説明すると 「全セッション(ユーザーの訪問)に対する1ページビューのみのセッションの割合」です。 つまり、ユーザーがウェブサイトを訪れて最初に見たページで離脱したセッションがどの程度の割合を占めるのかを知ることができます。

基本的にはウェブサイトでコンバージョンに至るには複数ページの遷移やページ上での操作=一定の滞在が必要になるので直帰率は低い方が望ましいです。

しかし一概にすべてのページで直帰率が低い方が良いとは言えません。例えばFAQページのように「ユーザーが求める情報がまとめっているべきページ」についてはむしろ直帰率が高いことがユーザーがページ情報に満足したという一つの指標になります(滞在時間やスクロール率などと合わせて分析すればより正確なインサイトを得られます)

「直帰率」はGAの「行動」レポート配下の「すべてのページ」や「ランディングページ」などで確認することができます(画像はGAデモアカウントのレポート)

画像例でも確認できる通り、「直帰率」の一般的な水準は約20~60%程度です。

ga-bouncerate-report

2. 低すぎる「直帰率」の原因と対処法

このように低くても20%程度の「直帰率」ですが、ある日確認してみると極端に低い数値(0~5%)になっていた、という現象が起きることがあります。

この低すぎる「直帰率」ですが、よくある原因として以下の2つが挙げられます。

  1. イベントトラッキングによる非直帰計測
  2. トラッキングコードの設定ミス

2.1 原因①:イベントトラッキング

イベントトラッキングとはリンクのクリックや動画プレイヤーの再生、ページスクロールなど、ページビューでは計測しきれないサイト内のユーザー行動を計測する仕組みのことで、GAやGoogle タグマネージャー(GTM)で設定することができます。

このイベントトラッキングをユーザーの閲覧開始ページに設定している場合、そのイベントが発生するとたとえそのページでユーザーが離脱(セッションを終了)しても直帰にならない、という現象が発生します。 この現象が起こる原因には直帰率の集計方法が関係しています。

直帰率は「直帰セッション割合」である、というのは冒頭で説明した通りですが、厳密には「閲覧を開始したページでヒットが1回しか計測されなかったセッションの割合」となります。

GAのデータ計測には「ヒット」、「セッション」、「ユーザー」という3つの区分があり、「ヒット」は発生回数を計測する最小単位の様なもので、PVなどの指標はヒットとして計測されます。

つまり、最初に閲覧したページでイベントが計測されるとPVとイベントの2回のヒットが飛び非直帰の判定になる、という仕組みです。

ですので自社サイトの直帰率が異常に低いページでイベントトラッキングを設定しているか確認しましょう。 イベントトラッキングの設定方法(GAのコード直張りorGTM)によって対処方法が異なります。

2.1.1 HTMLソースを直接編集している場合

ウェブサイトのソースコード内の<a>タグにonclick属性を付与するなどしてイベントトラッキングを実装している場合は対象のイベントにnointeractionオプションを付加します。

ga('send', 'event', 'カテゴリ', 'アクション', 'ラベル', 値, {'nonInteraction': true});

※{'nonInteraction': 1} という表現でも可

これによりイベントが発生しても直帰率に影響しなくなります。

2.1.2 GTMから設定している場合

こちらの場合は必要な対処はよりシンプルで、GTMのイベントタグの設定で「非インタラクションヒット」という項目を「真」にするだけで完了です。これによりイベントヒットを直帰率の集計対象から除外することができます。

GoogleTagManager-eventtracking-interactionhit

2.2 原因②: トラッキングコードの設定ミス

2つめに考えられる原因がトラッキングコードの設定ミスでPVが重複して計測されている、といった不具合です。 実際によくあるケースとしてはGAのトラッキングコードをウェブサイトのHTMLファイルに直接貼り付けたあと、GTMのGAタグの配信に切り替えたがGAのコードを消し忘れ二重に計測されている、ということがあります。

他には複数の広告代理店やコンサルに運用を任せているサイトにパートナーがそれぞれGAを個別に設定しており結果不具合が発生している、というケースも見たことがあります。

このようなトラッキングコードの設定ミスを確認するにはGoogle Chromeのプラグイン「Google Tag Assistant」がおすすめです。

「Tag Assistant」を使うとページで動作しているトラッキングコードの情報を確認することができます。 重複や同一ツールの複数設定がある場合は余分なコードを削除するなどして対応しましょう。

Google-Tag-Assistant-example

2.3 いずれの原因にも該当しない場合

極端に低い直帰率になる原因は本記事で説明した2つに限らず、

  • GAのeコマーストラッキング用の設定など、カスタマイズしたコードの実装ミス
  • WordPressのようなCMSを使っている場合はカスタムテーマやプラグインの仕様
  • カートシステムなど外部ASPコードの干渉

のように様々な可能性が考えられます。

ですので本記事でご紹介した「イベントトラッキング」と「トラッキングコードの設定ミス」いずれも原因ではなさそう、という場合は自社ページのソースコードを再度確認し、不具合の原因になっていそうな箇所について個別にソリューションをネットやベンダーのヘルプページなどで調べる必要があります。

最終手段としてはGoogleアナリティクス公式ヘルプフォーラムで質問してみるのも良いでしょう。

3. まとめ

直帰率が異常に低い数値を取る主な原因としては

  1. イベントトラッキング(イベントヒットの発生)
  2. トラッキングコードの設定ミス(PVの重複カウント)

の2つが考えられ、それぞれケースによって対処法が異なります。 正確な数値を計測できていないと分析に支障がでるため、GAの設定内容や自社ページのソースコードを確認し適切な対処を行いましょう。